2023/05/14 21:59
カルセドニーという鉱物種は、非常に多くの変種のある石です。
微晶質または潜晶質クォーツと呼ばれ、化学組成はクォーツ(水晶)と同じSiO2ですが微細な結晶が集まっているため、亜透明から不透明で透明になることはありません。
微晶質または潜晶質クォーツと呼ばれ、化学組成はクォーツ(水晶)と同じSiO2ですが微細な結晶が集まっているため、亜透明から不透明で透明になることはありません。
「種」と「変種」
例えばルビーやサファイアの場合はこうです。
種:コランダム
変種:ルビー(コランダムのうち、赤色のもの)
変種:サファイア(コランダムのうち、ルビー以外のもの)
サファイアといえばブルーのイメージでしょうけれど、イエローもピンクも無色もサファイアです。
では「種:カルセドニー」はどうでしょうか。
変種:ブラッドストーン(3月の誕生石)
ダークグリーンの地に血しぶきのような赤い模様入り
変種:サードオニキス/サードニクス(8月の誕生石)
ホワイトとオレンジ~茶色っぽい色が交互に縞を成す
変種:カーネリアン ※ジュエりんごの赤りんごの石🍎
イエロー、オレンジ、ブラウン系
変種:サード
カーネリアンより暗く、彩度の低いブラウン系
変種:モスアゲート
グリーン等の苔のようなインクルージョン入り
変種:アゲート
湾曲した縞模様か層になったカルセドニー
変種:オニキス
平行な縞模様が層をなすカルセドニー(一般的に白黒)
変種:ブラック
黒(市場でオニキスと言われる黒いものはブラック)
変種:クリソコーラ
強烈なライトブルー~ブルーグリーン
変種:クリソプレーズ
青りんご色🍏。色はニッケルによる
変種:ファイアアゲート
ブラウン系でイリデッセンスが見られる
変種:ジャスパー
カルセドニーの他の変種に入らないもの
多分、何か書き忘れていますね。結構あります。青りんごの素:クリソプレーズや、赤りんごの素:カーネリアンはこのような大きなファミリーの中にいます。
名前の由来
和名は緑玉髄(りょくぎょくずい)です。
英名はChrysopraseです。ギリシア語の“chrysos”(金の意)と“prason”(西洋ねぎの意)からきています。金のネギ!
クリソプレーズより暗く、彩度の低いグリーンのカルセドニーは”プレーズ”と言います。どうも鉱物展では、グリーンならクリソプレーズと書いているところも多い気がします。
クリソプレーズの特徴
クリソプレーズの青りんごカラーは、ニッケル珪酸塩インクルージョンによります。
潜晶質クォーツは小さな粒の集合体であることから、その隙間に染料を入れて染めることができます。グリーンの染色とクリソプレーズを見分けるには、まず分光器でスペクトルを見て、カラーフィルターの反応も見ます。染色は比重が低く出ることも多いです。
クリソプレーズの主要産地
主要産地は、オーストラリア、インド、チェコスロバキア、米国です。オーストラリアのクイーンズランド州のダークグリーンのクリソプレーズは「クイーンズランドジェイド」と呼ばれることもありますが、これは誤称といって似ているからついてしまった名前で、もちろんジェイド(翡翠)とは違う石です。